2014年7月19日土曜日

E-learning 医学教育への利用

E-learningを医学教育に使用した方がいい。

 多くの大学医学部では、MECTECOMなどのE-learningを受講し、医師国家試験に臨む生徒が多い(90%は超えていると言われる)。
これらのE-learningは、「講義をネット上で受講する」「ノート、問題集を所持していてそれについて解説してくれる」というもの。
 また、同様な形式で多くの大学でE-learningと称して講義のネット配信を行っている。
ネット配信は学内学外双方とも無料のものから、学内では無料だが学外には有料配信を行うパターン多い。Yale university(無料)。NHKのハーバード白熱教室(無料)。
 ネット配信の講義ではないパターンのE-learningとしてStarquizmanaba courseのポートフォリオを使用している高等学校も存在する。熊本大学大学院社会文化科学研究科 教授システム学は、E-learningに特化した講座である。

E-learnigのメリットデメリットについて

 

メリット
  • そこに行かなくても受講できる
  • 自分の都合のいい時間で受講できる
  • 自分のペースで勉強できる=深く内容を理解することができる
デメリット
  • 双方向性が失われる
  • 個人のやる気に左右される
  • 興味のある分野ばかり勉強することになる=系統的学習ができるか疑問

これらのデメリットは、E-learningの作り方次第である。
  • 双方向性が失われる文章で書くことができる(即応性が必要ない)ので、質問の数は増えるのではないかとも考えられる。そもそも、現行の講義では質問数が少ない(←これに対しては講義をよりよくすればいいという話になるが・・・)
  • 個人のやる気に左右されるこれは当然では?やる気がない人のやる気をあげることがそもそもできるのか疑問。
  • 興味のある分野ばかり勉強することになる=系統的学習ができるか疑問系統学的学習が足りないと思えば個人が勝手に勉強するのではないか。

人から聞いたLectureでは、5%しか自分の身にならない。Readingは10%程度。
Audio/Visual(Youtubeでは非常にわかりやすいレクチャーが多い、New England Journal of MedicineではInteractive lectureや外科的手技のVideoを視聴することができる。)でやっと20%。
DiscussionPracticeTeachingをやったほうが自分の身になる。


(参考:http://www.ltlmagazine.com/article/game-based-e-learning-next-level-staff-training
http://sofustudio.com/study/learning_pyramid.html


コストパフォーマンスはどうか

Lecture
なんとなく過ごしていたら時間がたつ。能動的である必要がないので、真剣に聞かない限りはあまり疲れない。得ているものが少ない。
Reading
自分で情報を収集している。 能動的で疲れる。コスト(時間)がかかるのでコストパフォーマンスは下がっているかも。何が重要か分からなければ、根拠の薄い、間違った知識を仕入れることもあり得る。これはマイナスの影響である。しかし、きちんとした調べ方を行えば、間違った知識を仕入れず身になるものも多い。 
根拠の薄い知識(たとえば、信憑性の低いBlog記事など)を得ても、それが、根拠の薄いものであることを認識していれば問題ない。
Audio/Visual
教科書が理解できずYoutubeの動画を見たりすることは多いが、それらは不随意運動(tremor, chorea)、手技(McMurray test、Patric test、中心静脈カテーテル挿入法など)の理解には有用。AAN(Americal academy of Neurology)は、You tubeに動画を載せており信憑性も高い。

ネット上にあらゆる情報があるので、いいものは利用する精神が必要。

ここで提案したいE-learningは、個人が主体的に勉強することを補助する役割を担うもの。
受動的なレクチャーの配信ではなく、能動的活動(掲示板を使ってのグループワークや、答えのない課題学習など)に使用されたらさらによい。